【今日の記事のキーワード】
・3度と7度のガイドトーンはアドリブで必要か?
・アプローチの観点でどの音が重要か?
・ジャズ初心者にとってはどの音程が重要か?
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こんにちは!
ラッドミュージックスクール学長の瀬戸郁寛です。
今日はジャズアドリブ習得の過程において、誰もが直面する課題である「音選び」について初心者に理解しやすいように解説しましょう!
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まずはじめに、ジャズを少し学んでいる方ならばコードトーンというものを少なからず把握していると思います。一般的に知られているなコードトーンとテンションは・・・
1度(ルート)
3度
5度
7度
9度
11度
13度

こうなりますね。4度や他のテンションノート(テンションの音程)も沢山ありますが初心者のうちは1度~7度程度を把握しておけば大丈夫です。つまり・・・・
1度(ルート)
3度
5度
7度
だけ知っておけば良いです。

さて。そして皆さんも一度は耳にしたことがあるでしょう。
「ジャズは3度と7度がガイドトーンと呼ばれていて重要!」
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という文言を。
確かにピアノやギターやベースなどのコード楽器(この場合のコード楽器とはジャズのバッキングをする人々)の方々にとては重要かもしれない。たとえばコードボイシングの中に3度や7度を入れ込む方法やウォーキングベースの通過音として3度を活用するなどなど。
しかし今日のトピックは「ジャズアドリブでソロを取る」という観点で話をしましょう。
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僕的な正解から語りましょう。
①3度は初心者にとっては重要
②7度は初心者にとってとても危険
③3度と7度を使わないのが中級者以上
④3度と7度は上級者は「避ける」傾向へ
ハイ。以上が僕の分析となります。
初心者のうちは3度をガイドトーンとしてジャズアドリブの中に沢山取り入れると良いでしょう。3度というのはその瞬間瞬間の響きを「確定」させる響き。だからこそバッキングの方々にとっては重要なのです。ピアノもギターもベースもその都度のハーモニーをしっかりと奏でる必要があるからです。「この曲はこんな響きの曲の流れなんだヨ」というのを音使いによって伝える必要があるのですね。
なので初心者の方々がアドリブソロを取る時、3度をターゲットに演奏することは正解だと思います。3度をガイドトーンとして、3度と3度をつなげるように演奏するとフレーズに流れを作りやすいのは事実。
ではなぜ7度は危険なのか?
7度をアドリブ演奏中に使うと、実に50%の確率で「おかしな演奏、おかしなライン、おかしなフレーズ」に陥る可能性があるのです。理論的理由はとても難しいので割愛しますが、7度はとても危険、というふうに認識しておいて問題はないでしょう。
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そして中級者以上は3度と7度をなるべく使わない練習を開始します。(僕のレッスンでは少なくともそう)
なぜ?
理由は簡単。3度や7度を駆使してしまうと「音楽に広がりがなくなる」からです。
たとえば5度や9度を駆使します。13度を駆使します。4度を駆使します。1度(ルート)を駆使します。このようにあまり理論書には書いてはいない分野でジャズアドリブを構築していくのですね。アプローチの観点や音楽を先に先に進めるアドリブフレーズの推進力、時間があたかも止まったように聞かせるテクニック、そしてゆったりした演奏に聞かせるテクニック、リスナーの脳が分析できないテクニカルな演奏に持っていく方法・・・その理由は無限にありますね!
ジャズは数学のように正解が1つしかない分野ではなく、正解は無限に広がっています。つまり3度と7度を駆使すると、いわゆる「お約束」の演奏になってしまい全く面白くない演奏になってしまうのです。下手するとどの曲でアドリブと取っても全く同じに聞こえてしまう、という落とし穴もそこにはあります。
もっと簡単にわかりやすく説明すると、100人が100人とも同じような演奏内容に聞こえてしまう恐れが少なからずあるのです。(細かいことは抜きとしても)
以上の理由から中級~上級者は3度と7度を避けて演奏するスタイルの方が多いですね。
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■まとめ
①3度は初心者にとっては重要
②7度は初心者にとってとても危険
③3度と7度を使わないのが中級者以上
④3度と7度は上級者は「避ける」傾向へ
ジャズ初心者におかれましては「ふ~~~ん」っていう程度に頭の片隅に置いておくと良いと思いますヨ。いつの日かきっとそんな日がやってくると思います!
今日の記事の本当の意味合いが理解したい中級者~上級者の方は是非僕のオンラインレッスンを受講してみてください。きっと目から鱗だとおもいますヨ!w
それではまた次回!
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■著者について

株式会社Radwave代表取締役、ラッドミュージックスクール学長。ジャズを本気で教えて16年。
幼少期より海外で育つ。バークリー音大卒。ジャズに魅了され30年弱。映画音楽作曲やレコーディングなどを含め、多岐の音楽活動に携わる。ジャズが演奏できるようになる一歩一歩の自己成長プロセスに感動し、それを伝えるべくラッドミュージックスクールを立ち上げる。耳が良すぎてジャズ理論はほぼ全て耳から習得。特技は他人が演奏したフレーズを1音残らず瞬時に分析する力。最近はジャズ以外のレコーディングやライブに多く携わっている。現在は日本とマレーシアを行き来しながら音楽活動を行う。海外にて各種音楽賞を受賞しまくる。ちなみに生業の一つとして芸能界の英語通訳もしている。好きなものはビールとドリアンと未知へ切り込む冒険心。
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